19 August
プロローグ: 逃げさるケアマネ
プロローグ: 逃げさるケアマネ
まだ11時過ぎたばかりなのに、所長に呼び出された。
面談室とは名ばかりのロッカールームが外から見えないようにパネルで囲われた
エリアに私は向かった。
ここは福祉に特化した人材派遣会社に勤めている。
と書くと聞こえはいいけれど、実態はただの福祉の便利屋さんです。
地域の介護保険事業所などで人手が足りなくなると、その助っ人として
呼ばれるのだ。
「あのね、君さぁ。」
所長は私を見ないで、自分の指のささくれをむしりながら話を始める。この時間とこの切り出し方は厄介ごとだ・・・
まずい。もしかしたら、先日ヘルパーの派遣で行った利用者宅で出された
レアチーズケーキを遠慮なく食べたのがばれたのだろうか?
やはりホールごと食べるのはよそうと心に誓った。
「知ってるだろうけれど、君の友達の森君がいなくなっちゃったでしょ。」
そうだった。この会社に勤める前まで同僚だった森影郎が失踪してから1月になる。
「今までは病欠ってことで様子見をしてたみたいだけど、さすがにねぇ。」
「でしょうねぇ」
(おいおい所長、ささくれが手で剥けないからって、噛まないでよ。)
「で、うちに依頼がきたよ。森君の代わりをしながら、ついでに森君も探して。だって」
「はい?」
「君にはケアマネとして、森君かわりにHK市の仕事をしつつ、ついでに森君の行方を追ってくれ」
「いやあの所長、私ケアマネの資格持ってますけど、なんちゃってですし、改正されたのよくわかんないです・・・」
「うん、大丈夫、市役所全面協力だから。包括田中さんに連絡をとってみてね」
(えぇー? 所長、噛みきったささくれ食べちゃうの?)
次号に続く・・・
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23:58:03 |
alex110 |
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